68年、つなぐバトン 被爆の記憶と核廃絶の願い
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原爆投下から68年。今もあの日の「地獄」を忘れられない人々がいる。健康をむしばまれ、今も心の傷に苦しむ人々がいる。戦後70年が迫り、被爆者たちの高齢化が進むなか、援護や救済を求める声にどう応えるか。被爆の記憶と核廃絶の願いを次世代にどうつなぐかが問われている。
◇
【佐々木敦斗、武田肇】6日早朝。原爆のために亡くなった人たちに祈りを捧げようと、2人の男女が平和記念公園を訪れた。女性は「今日は特別な日になりました」と語った。2人は前日、68年ぶりに再会を果たした。
女性は、広島市安佐北区の西原幸恵(さちえ)さん(67)。1945年8月6日朝、母の胎内で被爆し、その日の夜に生まれた。男性は当時15歳だった、横浜市鶴見区の斎藤孝さん(83)。爆心地から約3キロにある動員先の工場で被爆。無数の死を目の当たりにしたとき、西原さんの産声に励まされた。
斎藤さんは当時、広島県立広島二中の生徒。工場で機械の下敷きになった。なんとか逃げ出し、火の海のなか、自宅をめざした。10時間かけ、約6キロ離れた自宅にたどり着くと夜になっていた。家の周りにも遺体が折り重なっていた。
隣家に住む西原さんの母のお産が始まったのは、まもなくだった。斎藤さんの母すみえさんら近所の主婦たちが、焼けたトタンで囲いを作り、お湯を沸かした。産婆役として西原さんを取り上げたのは、すみえさんだった。自らも臨月が迫り、負傷もしていた。
「おぎゃあ、おぎゃあ」
深夜、かん高い産声が響いた。産屋代わりのトタン板に赤々と街を燃やす炎が反射していた。西原さんの母は手探りでわが子の顔をなでた。「地獄の中で見た一筋の希望」。斎藤さんはその光景が忘れられない。
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【佐々木敦斗、武田肇】6日早朝。原爆のために亡くなった人たちに祈りを捧げようと、2人の男女が平和記念公園を訪れた。女性は「今日は特別な日になりました」と語った。2人は前日、68年ぶりに再会を果たした。
女性は、広島市安佐北区の西原幸恵(さちえ)さん(67)。1945年8月6日朝、母の胎内で被爆し、その日の夜に生まれた。男性は当時15歳だった、横浜市鶴見区の斎藤孝さん(83)。爆心地から約3キロにある動員先の工場で被爆。無数の死を目の当たりにしたとき、西原さんの産声に励まされた。
斎藤さんは当時、広島県立広島二中の生徒。工場で機械の下敷きになった。なんとか逃げ出し、火の海のなか、自宅をめざした。10時間かけ、約6キロ離れた自宅にたどり着くと夜になっていた。家の周りにも遺体が折り重なっていた。
隣家に住む西原さんの母のお産が始まったのは、まもなくだった。斎藤さんの母すみえさんら近所の主婦たちが、焼けたトタンで囲いを作り、お湯を沸かした。産婆役として西原さんを取り上げたのは、すみえさんだった。自らも臨月が迫り、負傷もしていた。
「おぎゃあ、おぎゃあ」
深夜、かん高い産声が響いた。産屋代わりのトタン板に赤々と街を燃やす炎が反射していた。西原さんの母は手探りでわが子の顔をなでた。「地獄の中で見た一筋の希望」。斎藤さんはその光景が忘れられない。
東海から東北で局地的大雨の恐れ 6日夜にかけて
気象庁によると、東海から東北地方では6日夜にかけて、局地的に1時間50ミリ以上の非常に強い雨が降るところがある見込み。土砂災害や河川の氾濫(はんらん)、低い土地の浸水に警戒を呼びかけている。暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になるためで、竜巻などの突風や落雷にも注意が必要という。
アマゾン創業者・ベゾス氏、ワシントン・ポスト紙買収
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【ニューヨーク=中井大助】米紙ワシントン・ポスト(WP)を発行するWP社は5日、同紙を含む新聞事業をインターネット通販大手・アマゾンの創業者で最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏に2億5千万ドル(約246億円)で売却すると発表した。
1933年の同紙買収以来、4代にわたり新聞経営をしてきたグラハム家は教育事業なども展開するWP社の経営そのものは続けるが、新聞事業を切り離してベゾス氏に経営権を譲渡することになる。WP社によると買収はベゾス氏個人によるもので、アマゾン社は関係しない。同氏が新聞経営に関与するのは初めて。
WP社の会長兼CEOのドナルド・グラハム氏は「我々が所有したままでWP紙は生き残れると確信していたが、生き残るだけではなく、成功して欲しい」と、起業家としてのベゾス氏の手腕に期待する声明を発表した。
1933年の同紙買収以来、4代にわたり新聞経営をしてきたグラハム家は教育事業なども展開するWP社の経営そのものは続けるが、新聞事業を切り離してベゾス氏に経営権を譲渡することになる。WP社によると買収はベゾス氏個人によるもので、アマゾン社は関係しない。同氏が新聞経営に関与するのは初めて。
WP社の会長兼CEOのドナルド・グラハム氏は「我々が所有したままでWP紙は生き残れると確信していたが、生き残るだけではなく、成功して欲しい」と、起業家としてのベゾス氏の手腕に期待する声明を発表した。
HH60ヘリの飛行、再発防止策まとまるまで見合わせ
小野寺五典防衛相は6日、沖縄での米軍救難ヘリコプターHH60の墜落事故をふまえ、米軍の新型輸送機オスプレイ追加配備の延期について、「米側が(HH60の)原因究明、安全対策を行う中で一定の期間を考慮すると思う」と記者団に語った。
オスプレイは米軍岩国基地(山口県岩国市)に10機が一時駐機中。小野寺氏は10機の沖縄への追加配備について、HH60の事故後の5日夜、防衛省から在日米軍に「慎重な対応を申し入れた」と記者団に明かし、「再発防止をしっかりしてもらうことがすべての前提になる」と語った。
小野寺氏は、HH60についても「事故の再発防止がしっかりするまで(沖縄で)飛ばさないでほしいと要請した。米側も同じく考えている」と述べた。
オスプレイは米軍岩国基地(山口県岩国市)に10機が一時駐機中。小野寺氏は10機の沖縄への追加配備について、HH60の事故後の5日夜、防衛省から在日米軍に「慎重な対応を申し入れた」と記者団に明かし、「再発防止をしっかりしてもらうことがすべての前提になる」と語った。
小野寺氏は、HH60についても「事故の再発防止がしっかりするまで(沖縄で)飛ばさないでほしいと要請した。米側も同じく考えている」と述べた。
原爆投下68年 オリバー・ストーン監督、広島を歩く
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原爆投下から68年。戦争に批判的な米国の映画監督、オリバー・ストーン氏(66)は5日、朝日新聞のインタビューに応じ、広島で被爆の惨禍を想像することの大切さを訴えた。日本ではいま、集団的自衛権をめぐる憲法解釈の見直しや改憲論議など、戦後日本のあり方を変える動きが目立つ。核なき平和を求める被爆地の声は届くのか。
オリバー・ストーン氏は5日夜、広島市内で朝日新聞のインタビューに応じた。核廃絶を実現するために、若い世代に向けて「広島についてもっと学ぶことだ。学べば意識は変えられる」と訴えた。
ストーン氏は「世界は過去で埋め尽くされている」と話し、想像することの大切さを強調した。「僕は1945年のこの場所にいるような気がしている。いまここであの日の瞬間、爆風を感じている」
オリバー・ストーン氏は5日夜、広島市内で朝日新聞のインタビューに応じた。核廃絶を実現するために、若い世代に向けて「広島についてもっと学ぶことだ。学べば意識は変えられる」と訴えた。
ストーン氏は「世界は過去で埋め尽くされている」と話し、想像することの大切さを強調した。「僕は1945年のこの場所にいるような気がしている。いまここであの日の瞬間、爆風を感じている」
A・ロドリゲス、来季終了まで出場停止 薬物規定違反
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【シカゴ=大西史恭】大リーグ機構(MLB)は5日、ヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手(38)ら13選手に対し、禁止薬物規定に違反したとして出場停止処分を科したと発表した。停止期間はロドリゲスが8日から来季終了までの211試合、レンジャーズのネルソン・クルーズ外野手(33)ら他の12選手は5日から50試合となった。
ロドリゲスらは競技能力を向上させる禁止薬物を使用したとされる。ロドリゲスはMLBの調査を妨害したということも処分対象となっているため、他の選手より重い処分となった。
MLBによると、ロドリゲス以外の12選手は処分を受け入れたという。ロドリゲスはこの日の試合前に記者会見に臨み、異議申し立てをする意向を示した上 で、「現時点では細かく話すことはできない。時がきたら、すべてを話す機会があるだろう。それは今ではない」と語った。ロドリゲスが異議申し立てをすれ ば、調停機関の裁定が下るまで試合に出場できる。
ロドリゲスらは競技能力を向上させる禁止薬物を使用したとされる。ロドリゲスはMLBの調査を妨害したということも処分対象となっているため、他の選手より重い処分となった。
MLBによると、ロドリゲス以外の12選手は処分を受け入れたという。ロドリゲスはこの日の試合前に記者会見に臨み、異議申し立てをする意向を示した上 で、「現時点では細かく話すことはできない。時がきたら、すべてを話す機会があるだろう。それは今ではない」と語った。ロドリゲスが異議申し立てをすれ ば、調停機関の裁定が下るまで試合に出場できる。
「絶対悪」核兵器の廃絶を 広島市長の平和宣言全文
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「あの日」から68年目の朝が巡ってきました。1945年8月6日午前8時15分、一発の原子爆弾によりその全てを消し去られた家族がいます。「無事、男の子を出産して、家族みんなで祝っているちょうどその時、原爆が炸裂(さくれつ)。無情にも喜びと希望が、新しい『生命(いのち)』とともに一瞬にして消え去ってしまいました」
幼くして家族を奪われ、辛うじて生き延びた原爆孤児がいます。苦難と孤独、病に耐えながら生き、生涯を通じ家族を持てず、孤老となった被爆者。「生きて いてよかったと思うことは一度もなかった」と長年にわたる塗炭の苦しみを振り返り、深い傷跡は今も消えることはありません。
生後8か月で被爆し、差別や偏見に苦しめられた女性もいます。その女性は結婚はしたものの1か月後、被爆者健康手帳を 持っていることを知った途端、優しかった義母に「『あんたー、被爆しとるんねー、被爆した嫁はいらん、すぐ出て行けー』と離婚させられました」。放射線の 恐怖は、時に、人間の醜さや残忍さを引き出し、謂(いわ)れのない風評によって、結婚や就職、出産という人生の節目節目で、多くの被爆者を苦しめてきまし た。
無差別に罪もない多くの市民の命を奪い、人々の人生をも一変させ、また、終生にわたり心身を苛(さいな)み続ける原爆は、非人道兵器の極みであり「絶対悪」です。原爆の地獄を知る被爆者は、その「絶対悪」に挑んできています。
辛(つら)く厳しい境遇の中で、被爆者は、怒りや憎しみ、悲しみなど様々な感情と葛藤し続けてきました。後障害に苦しみ、「健康が欲しい。人並みの健康 を下さい」と何度も涙する中で、自らが悲惨な体験をしたからこそ、ほかの誰も「私のような残酷な目にあわせてはならない」と考えるようになってきました。 被爆当時14歳の男性は訴えます。「地球を愛し、人々を愛する気持ちを世界の人々が共有するならば戦争を避けることは決して夢ではない」
被爆者は平均年齢が78歳を超えた今も、平和への思いを訴え続け、世界の人々が、その思いを共有し、進むべき道を正しく選択するよう願っています。私た ちは苦しみや悲しみを乗り越えてきた多くの被爆者の願いに応え、核兵器廃絶に取り組むための原動力とならねばなりません。
そのために、広島市は、平和市長会議を構成する5700を超える加盟都市とともに、国連や志を同じくするNGOなどと連携して、2020年までの核兵器廃絶をめざし、核兵器禁止条約の早期実現に全力を尽くします。
世界の為政者の皆さん、いつまで、疑心暗鬼に陥っているのですか。威嚇によって国の安全を守り続けることができると思っているのですか。広島を訪れ、被爆者の思いに接し、過去にとらわれず人類の未来を見据えて、信頼と対話に基づく安全保障体制への転換を決断すべきではないですか。ヒロシマは、日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現する地であると同時に、人類の進むべき道を示す地でもあります。また、北東アジアの平和と安定を考えるとき、北朝鮮の非核化と北東アジアにおける非核兵器地帯の創設に向けた関係国の更なる努力が不可欠です。
今、核兵器の非人道性を踏まえ、その廃絶を訴える国が着実に増加してきています。また、米国のオバマ大統領は核兵器の追加削減交渉をロシアに呼び掛け、核軍縮の決意を表明しました。そうした中、日本政府が進めているインドとの原子力協定交渉は、良好な経済関係の構築に役立つとしても、核兵器を廃絶する上では障害となりかねません。ヒロシマは、日本政府が核兵器廃絶をめざす国々との連携を強化することを求めます。そして、来年春に広島で開催される「軍縮・不拡散イニシアティブ」外相会合においては、NPT体制の堅持・強化を先導する役割を果たしていただきたい。また、国内外の被爆者の高齢化は着実に進んでいます。被爆者や黒い雨体験者の実態に応じた支援策の充実や「黒い雨降雨地域」の拡大を引き続き要請します。
この夏も、東日本では大震災や原発事故の影響に苦しみながら故郷の再生に向けた懸命な努力が続いています。復興の困難を知る広島市民は被災者の皆さんの思いに寄り添い、応援し続けます。そして、日本政府が国民の暮らしと安全を最優先にした責任あるエネルギー政策を早期に構築し、実行することを強く求めます。
私たちは、改めてここに68年間の先人の努力に思いを致し、「絶対悪」である核兵器の廃絶と平和な世界の実現に向け力を尽くすことを誓い、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げます。
2013年8月6日
広島市長 松井一実
幼くして家族を奪われ、辛うじて生き延びた原爆孤児がいます。苦難と孤独、病に耐えながら生き、生涯を通じ家族を持てず、孤老となった被爆者。「生きて いてよかったと思うことは一度もなかった」と長年にわたる塗炭の苦しみを振り返り、深い傷跡は今も消えることはありません。
生後8か月で被爆し、差別や偏見に苦しめられた女性もいます。その女性は結婚はしたものの1か月後、被爆者健康手帳を 持っていることを知った途端、優しかった義母に「『あんたー、被爆しとるんねー、被爆した嫁はいらん、すぐ出て行けー』と離婚させられました」。放射線の 恐怖は、時に、人間の醜さや残忍さを引き出し、謂(いわ)れのない風評によって、結婚や就職、出産という人生の節目節目で、多くの被爆者を苦しめてきまし た。
無差別に罪もない多くの市民の命を奪い、人々の人生をも一変させ、また、終生にわたり心身を苛(さいな)み続ける原爆は、非人道兵器の極みであり「絶対悪」です。原爆の地獄を知る被爆者は、その「絶対悪」に挑んできています。
辛(つら)く厳しい境遇の中で、被爆者は、怒りや憎しみ、悲しみなど様々な感情と葛藤し続けてきました。後障害に苦しみ、「健康が欲しい。人並みの健康 を下さい」と何度も涙する中で、自らが悲惨な体験をしたからこそ、ほかの誰も「私のような残酷な目にあわせてはならない」と考えるようになってきました。 被爆当時14歳の男性は訴えます。「地球を愛し、人々を愛する気持ちを世界の人々が共有するならば戦争を避けることは決して夢ではない」
被爆者は平均年齢が78歳を超えた今も、平和への思いを訴え続け、世界の人々が、その思いを共有し、進むべき道を正しく選択するよう願っています。私た ちは苦しみや悲しみを乗り越えてきた多くの被爆者の願いに応え、核兵器廃絶に取り組むための原動力とならねばなりません。
そのために、広島市は、平和市長会議を構成する5700を超える加盟都市とともに、国連や志を同じくするNGOなどと連携して、2020年までの核兵器廃絶をめざし、核兵器禁止条約の早期実現に全力を尽くします。
世界の為政者の皆さん、いつまで、疑心暗鬼に陥っているのですか。威嚇によって国の安全を守り続けることができると思っているのですか。広島を訪れ、被爆者の思いに接し、過去にとらわれず人類の未来を見据えて、信頼と対話に基づく安全保障体制への転換を決断すべきではないですか。ヒロシマは、日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現する地であると同時に、人類の進むべき道を示す地でもあります。また、北東アジアの平和と安定を考えるとき、北朝鮮の非核化と北東アジアにおける非核兵器地帯の創設に向けた関係国の更なる努力が不可欠です。
今、核兵器の非人道性を踏まえ、その廃絶を訴える国が着実に増加してきています。また、米国のオバマ大統領は核兵器の追加削減交渉をロシアに呼び掛け、核軍縮の決意を表明しました。そうした中、日本政府が進めているインドとの原子力協定交渉は、良好な経済関係の構築に役立つとしても、核兵器を廃絶する上では障害となりかねません。ヒロシマは、日本政府が核兵器廃絶をめざす国々との連携を強化することを求めます。そして、来年春に広島で開催される「軍縮・不拡散イニシアティブ」外相会合においては、NPT体制の堅持・強化を先導する役割を果たしていただきたい。また、国内外の被爆者の高齢化は着実に進んでいます。被爆者や黒い雨体験者の実態に応じた支援策の充実や「黒い雨降雨地域」の拡大を引き続き要請します。
この夏も、東日本では大震災や原発事故の影響に苦しみながら故郷の再生に向けた懸命な努力が続いています。復興の困難を知る広島市民は被災者の皆さんの思いに寄り添い、応援し続けます。そして、日本政府が国民の暮らしと安全を最優先にした責任あるエネルギー政策を早期に構築し、実行することを強く求めます。
私たちは、改めてここに68年間の先人の努力に思いを致し、「絶対悪」である核兵器の廃絶と平和な世界の実現に向け力を尽くすことを誓い、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げます。
2013年8月6日
広島市長 松井一実
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