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 富岡製糸場(群馬県富岡市)の世界文化遺産への登録に、県境を越えて熱い視線を注ぐ自治体がある。埼玉県深谷市だ。建設を担った中心人物の多くが市の出身で、ゆかりの文化財が点在する。登録を決定するユネスコ世界遺産委員会の審議も大詰め。ブームにあやかろうと猛烈にアピールする。
 “舞台は富岡、主役は深谷の三偉人”。製糸場から約30キロ東にあるJR深谷駅や市内の観光スポットに掲げられたポスターの宣伝文句だ。富岡製糸場をつくったのは、実は深谷市出身の3人だと売り込む。
 その一人が、「近代資本主義の父」と言われる実業家、渋沢栄一。製糸場の建設を指揮した。もう一人は、渋沢に論語を教えたとされ、初代場長をつとめた尾高惇忠(あつただ)。そして、シンボルとも言える赤れんがの製造を担った技術者、韮塚(にらづか)直次郎だ。