いじめ自殺に常設の調査委 文科省、都道府県に設置検討
【村上宣雄】いじめや体罰などで子どもが自殺した場合に対応するため、文部科学省の専門家会議は、都道府県に「常設」の調査委員会を置く検討を始めた。子どもの自殺事案が起きた市区町村にメンバーを派遣し、実態調査を担う。
文科省は年度内にも、専門家会議が作成する新たなガイドラインを全国に通知する方針。採用するかどうかの最終判断は各都道府県や教委に委ねられる。
通常、いじめや体罰が
疑われる自殺事案があると、市区町村の教育委員会が調査委を立ち上げ、委員を選ぶ。その際、「教委や学校に都合のいい結論を出すのでは」と遺族側が不安を
抱いたり、対応に不慣れな教委が混乱し、調査が遅れたりする可能性もある。直接の利害関係がない都道府県が調査メンバーをあらかじめ決めておけば、人選に
紛糾することなく事態に対応でき、調査の中立性も保てる。
川重クーデターに見るトップの心得 ガバナンスの姿とは
【編集委員・安井孝之】合併・統合や買収といった企業の死命を左右する判断をどのように下すのか。究極の企業ガバナンスのあり方である。社長ら3取締役を先週、解任した川崎重工業のクーデターは、社長らが三井造船との合併へと走ろうとしたが、「大衆討議」で引きずり降ろされた。果たして川崎重工はトップ主導で合併交渉を進めるべきだったのか。過去の事例から教訓を探る。
1999年の夏から秋。金融界は統合・合併構想に揺れていた。8月に第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行が3行統合(現みずほ)を発表し、10月には住友銀行とさくら銀行が合併(現三井住友)を発表するなど何度も業界を激震が走った。
■「雑音」避け、首脳が決断 金融・自動車
こうした一連の統合・合併交渉のほとんどは頭取ら経営トップ同士の決断と、各行の企画部門の担当役員、その部下という限られた人員だけで進められた。三井住友銀行の合併では発表の日の臨時取締役会で初めてすべての取締役が合併構想の全容を知った。
頭取らの経営トップへの信頼感が根本にあるガバナンスのありようだった。交渉がまとまる前に、それぞれの担当役員が各部署の利害を代表して口を挟むよう では、前線の交渉担当者(経営トップら)は身動きが取れなくなる。ライバル企業の動きもにらみ、スピード感を持って、判断しなくては交渉はまとめきれな い。
99年3月にまとまった日産自動車とルノーとの資本提携交渉も日産側は塙義一社長(当時)らごく一部の取締役と幹部社員だけで進めた。社内やOBに伝われば、「提携先はダイムラーの方が良い」「いやフォードだ」と雑音が入るからだ。塙氏は「最後は自分で決める」と覚悟を決めていた。
その後の日産の再生の原動力となったカルロス・ゴーン氏もまた同じ流儀である。2006年7月3日の日産の臨時取締役会。米ゼネラル・モーターズ(GM)の大株主が日産・ルノーにGM株取得を打診してきた。どう対処すべきなのか。その日の取締役会の議題だった。結論は「ゴーン社長に一任」だった。
このGMとの交渉は不調に終わったが、日産取締役会はゴーン氏に全権を委任し、ゴーン氏もまた全責任を取った。
トップへの信任と、トップがその信任に応えうるだけのリーダーシップを果たす責任感があることが、激しく動く経営環境に対応できる企業であり続けるためには何より必要だ。
川崎重工の場合はどうだったのか。
1999年の夏から秋。金融界は統合・合併構想に揺れていた。8月に第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行が3行統合(現みずほ)を発表し、10月には住友銀行とさくら銀行が合併(現三井住友)を発表するなど何度も業界を激震が走った。
■「雑音」避け、首脳が決断 金融・自動車
こうした一連の統合・合併交渉のほとんどは頭取ら経営トップ同士の決断と、各行の企画部門の担当役員、その部下という限られた人員だけで進められた。三井住友銀行の合併では発表の日の臨時取締役会で初めてすべての取締役が合併構想の全容を知った。
頭取らの経営トップへの信頼感が根本にあるガバナンスのありようだった。交渉がまとまる前に、それぞれの担当役員が各部署の利害を代表して口を挟むよう では、前線の交渉担当者(経営トップら)は身動きが取れなくなる。ライバル企業の動きもにらみ、スピード感を持って、判断しなくては交渉はまとめきれな い。
99年3月にまとまった日産自動車とルノーとの資本提携交渉も日産側は塙義一社長(当時)らごく一部の取締役と幹部社員だけで進めた。社内やOBに伝われば、「提携先はダイムラーの方が良い」「いやフォードだ」と雑音が入るからだ。塙氏は「最後は自分で決める」と覚悟を決めていた。
その後の日産の再生の原動力となったカルロス・ゴーン氏もまた同じ流儀である。2006年7月3日の日産の臨時取締役会。米ゼネラル・モーターズ(GM)の大株主が日産・ルノーにGM株取得を打診してきた。どう対処すべきなのか。その日の取締役会の議題だった。結論は「ゴーン社長に一任」だった。
このGMとの交渉は不調に終わったが、日産取締役会はゴーン氏に全権を委任し、ゴーン氏もまた全責任を取った。
トップへの信任と、トップがその信任に応えうるだけのリーダーシップを果たす責任感があることが、激しく動く経営環境に対応できる企業であり続けるためには何より必要だ。
川崎重工の場合はどうだったのか。
松山、全米オープン10位 来年の出場権獲得
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国の原発広報、事故後25億円 天下り・電力系7割受注
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【大谷聡】東京電力福島第一原発事故後の2年間に24億8千万円分の原発の広報事業を国が行い、その7割近い16億3千万円分を受注したのは、経済産業・文部科学両省のOBや電力会社の幹部らが役員として在籍する法人だった。朝日新聞の調べでわかった。
天下り先に二重委託 原発広報の事業費は電気料金をもとにした税金で賄われている。福島事故前と比べると総額は半分程度になったが、事故後も国が原発関係の宣伝をし、担当省庁の官僚OBや電力会社関係者がその利益を得るという構図が続いていた。
この事業は、経産省の「原子力広聴・広報等事業」や文科省の「原子力教育支援事業」など。
目的は「放射線の理解促進や原子力政策の情報提供で国民の信頼回復を図る」などとされる。経産省の事業は市民や原発立地地域が対象で、原子力研究者らの講演や放射性廃棄物のワークショップなどを開催。文科省の場合は放射線測定器の貸し出しや教職員への放射線セミナーのほか、新聞・テレビ広告などを行う。
朝日新聞は両省の発注状況の資料を入手し、受注した法人側へも取材して分析した。それによると、2011、12年度に発注した原発広報事業は、経産省が49件計14億8千万円で、文科省は18件計10億円。民間企業や財団・社団法人など計34の組織が受注した。
受注した組織の内訳を調べたところ、(1)両省のOBが理事に就任している6法人(2)現在は官僚の天下りはいないが、電力会社の役員や元役員が理事・監事にいる4法人――の計10法人が、事業費の66%にあたる33件計16億3千万円分を受注していた。残りは広告会社などだった。
10法人の中で、両省OBが常勤役員で在籍し、報酬を公開している日本科学技術振興財団と原子力環境整備促進・資金管理センター、つくば科学万博記念財団の場合、常勤理事の報酬は年間1600万円程度という。
天下り先に二重委託 原発広報の事業費は電気料金をもとにした税金で賄われている。福島事故前と比べると総額は半分程度になったが、事故後も国が原発関係の宣伝をし、担当省庁の官僚OBや電力会社関係者がその利益を得るという構図が続いていた。
この事業は、経産省の「原子力広聴・広報等事業」や文科省の「原子力教育支援事業」など。
目的は「放射線の理解促進や原子力政策の情報提供で国民の信頼回復を図る」などとされる。経産省の事業は市民や原発立地地域が対象で、原子力研究者らの講演や放射性廃棄物のワークショップなどを開催。文科省の場合は放射線測定器の貸し出しや教職員への放射線セミナーのほか、新聞・テレビ広告などを行う。
朝日新聞は両省の発注状況の資料を入手し、受注した法人側へも取材して分析した。それによると、2011、12年度に発注した原発広報事業は、経産省が49件計14億8千万円で、文科省は18件計10億円。民間企業や財団・社団法人など計34の組織が受注した。
受注した組織の内訳を調べたところ、(1)両省のOBが理事に就任している6法人(2)現在は官僚の天下りはいないが、電力会社の役員や元役員が理事・監事にいる4法人――の計10法人が、事業費の66%にあたる33件計16億3千万円分を受注していた。残りは広告会社などだった。
10法人の中で、両省OBが常勤役員で在籍し、報酬を公開している日本科学技術振興財団と原子力環境整備促進・資金管理センター、つくば科学万博記念財団の場合、常勤理事の報酬は年間1600万円程度という。
親方衆、雇用から委任に 相撲協会、新公益法人へ申請
【抜井規泰】日本相撲協会が新制度の公益法人認定を受けるため、親方衆との関係を雇用契約から委任契約に改める形で、内閣府に申請する方針を固めたことが分かった。新法人になっても自分たちで理事を選ぶための策だが、制度変更が必要で、認められるかは不透明だ。申請が却下され、協会が自動解散に追い込まれる可能性もある。
新法人になると、税制で手厚く優遇される代わりに公益性を厳しく問われ、外部の評議員が理事を指名する。親方衆が自分たちの手で理事を選ぶには、自ら評議員になる必要があるが、評議員は外部の立場でなければならない。
しかし、親方衆は65歳の定年まで協会から月給を受け取っていて、協会の懲罰規定の「解雇」の対象でもあり、雇用関係という内部の立場にあたる。そこで、力士育成などを協会から委任された外部の関係者という形に改め、評議員を兼務する道を目指す。
新法人になると、税制で手厚く優遇される代わりに公益性を厳しく問われ、外部の評議員が理事を指名する。親方衆が自分たちの手で理事を選ぶには、自ら評議員になる必要があるが、評議員は外部の立場でなければならない。
しかし、親方衆は65歳の定年まで協会から月給を受け取っていて、協会の懲罰規定の「解雇」の対象でもあり、雇用関係という内部の立場にあたる。そこで、力士育成などを協会から委任された外部の関係者という形に改め、評議員を兼務する道を目指す。
善玉の中に裏切り者 崩れるコレステロールの常識
【鍛治信太郎】善玉コレステロール(HDL)は健康にいい善人。悪玉コレステロール(LDL)を減らしてHDLを増やせば動脈硬化が減る――。こんなコレステロールの常識が最近怪しくなってきた。HDLにもさして善行をしないただの人や、中には悪人もいるらしい。HDLは量だけでなく質も大事なようだ。
何かと評判の悪いコレステロール。実は、細胞膜やビタミン、ホルモンなどをつくるうえでなくてはならない。食べ物にも含まれるが、主に肝臓でつくられ、体の隅々に運ばれる。この運び役がLDL。コレステロールをたんぱく質や脂で包んだものだ。 HDLは細胞で余ったコレステロールを集めて肝臓に戻す。包んでいるたんぱく質や脂がLDLと違う。HDL濃度がもともと高くてLDL濃度が低い人は動脈硬化になりにくい。動脈硬化症の人にHDLを注射すると症状が和らぐことも知られている。 そうした発想から血液中のHDLの濃度を上げる薬の開発が進められてきた。しかし、昨年5月、スイスの大手製薬企業ロシュが進めていた薬の開発が中止された。臨床試験で濃度は上がったが、肝心な心臓などの病気を防ぐ効果に差が出なかったからだ。「善人のHDLを増やせばいいはず」という期待が裏切られた格好だ。 | ||
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