老人ホーム、運営転々でサービス低下 突然の値上げも
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投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(東京)が売却交渉を進めている「生活科学運営」(同)。同社が運営する静岡県伊豆市の有料老人ホーム「ライフハウス友だち村」で、管理費の値上げをめぐって入居者と運営者の激しい対立が起きている。
「1人で入居している方の管理費を8月から2割値上げします」。施設長らが5月、入居者との懇談会で伝えた。ジェイ・ウィルがこのホームの運営権を握ってから半年たっていた。
「なぜ突然値上げするのか」。そう感じた入居者たちは理由の説明を求めたが、施設長らは「赤字だから」「これは決定事項」と繰り返すだけだった。
前日に作り置きし、冷めた朝食をとらせるようになるなど施設の運営方法が少しずつ変わり、入居者たちは不満を募らせていた。
「サービスが下がり、管理費が上がる。こんな仕打ちはない」。入居者は弁護士を通じて値上げ撤回を求めたが、対立は深まるばかり。決着をあきらめて4人が退去し、混乱が続く。
生活科学運営の浦田慶信社長は4日、朝日新聞の取材に「10年据え置いた後の初めての管理費の見直しだ。管理費の収支は入居者に毎年示してきた。赤字をすべて入居者に転嫁するものではない」。ジェイ・ウィルは「値上げを指示していない」と回答した。
◇
買収で施設の運営会社やオーナーが代わり、入居条件などが急に変わる。そんなトラブルが増えている。
「(運営方針は)『ワタミの介護』の設定にさせていただく。私どもでダメならば、撤退します」
神奈川県内の有料老人ホーム「ネクステージあざみ野(現レストヴィラあざみ野)」3階の食堂。施設の運営を従来の会社から引き継ぐことになった「ワタミの介護」が2007年5月、入居者の家族らを集めた会議で、清水邦晃社長が運営方針の変更を受け入れるよう迫った。
「ツカツカと入ってきて椅子にも座らず、書類を机にドンと置いて。あれじゃ脅し。耳を疑いました」。当時90歳を超えていた母親を施設に入れていた女性(71)は振り返る。
この会議の半月ほど前、清水社長は工事関係者を引き連れて現れ、「施設を改装します」といきなり告げた。持ってきた風呂場などの図面を配り、看護師の常
駐をなくすなどの運営方針の変更も一方的に通告した。入居者の家族らが猛反発し、清水社長との話し合いは進まないまま。「撤退する」という発言が飛び出し
たのは3回目の会議だった。
「運営会社が変わるのはワタミで4社目。会社が変わるたびに心配だったが、ワタミは大手だから『もう倒産はないよね』と期待していました。でもここまでひどいことになるとは」と元家族会の一人は言う。
04年の開設当初は、高級さに加え、医師が常駐することが「売り」だった。女性は、自宅からも近かったから安心して母親を預けた。だが入居者が思うように集まらず、半年後に米国の不動産ファンドに売られ、06年春には別の事業会社に売られた。その後4社目の名乗りを上げたのが居酒屋チェーン店から介護ビジネスへ参入したワタミだった。
最初の買収で米国の不動産ファンドが経営権を握ったときに、医師の常駐がなくなり看護師だけに。それでも不安だったのに、ワタミは看護師の常駐まで廃止するという。家族会は神奈川県に指導を要請し、何とかワタミに看護師の常駐を認めさせたが、その他は「ワタミ流」をのまざるを得なかった。
毎月の管理費に含まれていた光熱費と水道代計4200円が新たに取られることになった。散歩も外の公園に車で老人を連れて行く際は1回500円の有料に。一方、「コスト削減」でカラオケ機材や各部屋に引かれた有線放送は廃止された。豪華施設の象徴だった、浴室から眺められる滝の水も止められた。
「母は胃ろうをしていたから、義歯を入れないことや体位の入れ替えは一定時間あけるように医師から指示され、施設側にもそれを求めていた」。ところが、介護の際に施設のスタッフの間で「連絡ミス」があったため、肺炎を起こしたと女性は訴える。「経験の浅い職員に入れ替わる一方、入居募集に力を入れたために入居者は増え、明らかに人手は足りていなかった」
ワタミ側は「ミス」を認めていない。だが、施設と入居者のトラブルを調べる神奈川県の国民健康保険団体連合会(国保連)は、ワタミ側への聞き取り調査で医師の指示が十分に伝わっていなかった「連絡ミス」があったと結論づけた。
「いつか問題が起きるのではと心配していたが、まさか自分の母親がそうなるなんて……」。女性は今でも悔しい思いが消えない。
ワタミ側に改めて見解を聞いたところ、朝日新聞に対して「人員不足や効率優先でサービスが低下している認識はない」(広報グループ)との回答を寄せた。
追い出される「償却切れ老人」 介護施設がもうけ優先?
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「介護を成長産業に」の陰で、入居者が苦しんでいる例はこれだけではない。
老人ホーム、運営転々
入居が長く、一時金の取り崩し(償却)が終わりかけ「もうからない客」になった「償却切れ老人」が、退去を迫られる例もある。
「もう入ってもらう部屋はない。受け入れは無理です」。受話器の向こうで施設長の乾いた声が響いた。父親(当時77)が入居していた50代の女性は一方的に通告され、途方に暮れた。
「日本ケアリンク」(東京)が運営する老人ホーム「せらび新横浜」に入っていた父親は昨年6月、外出先で転んで入院。四肢まひが残り、医師から要介護度 が「1」から「5」になる見通しを知らされた。退院が決まり、施設に「戻ります」と連絡した際の、思いもよらぬ返事だった。
入居契約には施設側が退去要請できる条項もあるが、父は該当しなかった。
施設に戻ることを拒む正当な理由はない。「父のような入居者はなるべく追い出して、新しい入居者を入れたかったのだと思う」。いまも女性はそう疑ってい る。入居時に納めた一時金1440万円は、すでに3年半が過ぎて償却が進み、約300万円を残すだけだった。「あと1年半、つまり入居して5年がたてば、 家賃は入らなくなる。施設にとっては『資産価値』がなくなったんでしょう」
老人ホーム、運営転々
入居が長く、一時金の取り崩し(償却)が終わりかけ「もうからない客」になった「償却切れ老人」が、退去を迫られる例もある。
「もう入ってもらう部屋はない。受け入れは無理です」。受話器の向こうで施設長の乾いた声が響いた。父親(当時77)が入居していた50代の女性は一方的に通告され、途方に暮れた。
「日本ケアリンク」(東京)が運営する老人ホーム「せらび新横浜」に入っていた父親は昨年6月、外出先で転んで入院。四肢まひが残り、医師から要介護度 が「1」から「5」になる見通しを知らされた。退院が決まり、施設に「戻ります」と連絡した際の、思いもよらぬ返事だった。
入居契約には施設側が退去要請できる条項もあるが、父は該当しなかった。
施設に戻ることを拒む正当な理由はない。「父のような入居者はなるべく追い出して、新しい入居者を入れたかったのだと思う」。いまも女性はそう疑ってい る。入居時に納めた一時金1440万円は、すでに3年半が過ぎて償却が進み、約300万円を残すだけだった。「あと1年半、つまり入居して5年がたてば、 家賃は入らなくなる。施設にとっては『資産価値』がなくなったんでしょう」
エジプトの抗議デモ、51人死亡 治安部隊などと衝突
【カイロ=平賀拓哉】エジプト各地で6日、軍のクーデターで排除されたムルシ前大統領の支持派が抗議デモを行い、治安部隊や軍支持派と衝突した。エジプト国営中東通信によると、51人が死亡、約270人が負傷した。8月中旬の強制排除後では、最大規模の衝突に発展した。
AFP通信によると、カイロ中心部のタハリール広場付近で、広場に入ろうとするムルシ支持派のデモ隊に対して治安部隊が実弾や催涙弾を発射。同通信は、警察当局がカイロで423人を拘束したと伝えた。
この日は1973年の第4次中東戦争の開戦から40年にあたった。カイロで軍支持派の市民が「戦勝記念日」を祝う一方、対抗するムルシ派も各地でデモへの参加を呼びかけていた。
AFP通信によると、カイロ中心部のタハリール広場付近で、広場に入ろうとするムルシ支持派のデモ隊に対して治安部隊が実弾や催涙弾を発射。同通信は、警察当局がカイロで423人を拘束したと伝えた。
この日は1973年の第4次中東戦争の開戦から40年にあたった。カイロで軍支持派の市民が「戦勝記念日」を祝う一方、対抗するムルシ派も各地でデモへの参加を呼びかけていた。
スカイツリー下で急病?土下座? 撮影者132人パチリ
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【上原佳久】地面に横たわる急病人? パートナーに土下座?――東京スカイツリーを撮るのに夢中になるあまり、そんな奇妙な姿勢になってしまう観光客を写した本が出た。タイトルはそのまま、「東京スカイツリーを撮影している人を撮影した本」(産業編集センター)だ。
著者は東京都荒川区の会社員太田友嗣(ともつぐ)さん(37)。昨夏にスカイツリーを初めて訪れた際、「家族や友人のため、地面に身を投げ出して記念撮影をする人たちに驚いた」という。仕事の合間に通い、観光客132人をカメラに収めた。
奇妙な姿勢になってしまうのは、スカイツリーの高さゆえ。真下の広場で、人と高さ634メートルのてっぺんを一緒に写そうとすると、カメラを地面ぎりぎりまで近づけないとうまく収まらないためだ。
場所がら多い外国人旅行者に撮影を頼まれ、白い上着が汚れるのも気にせず進んで、ごろりとなる中年男性の姿も捉えた。「頼まれたからには、いい仕事をしたくなる。いかにも日本人らしくて、ほほえましい」
撮影した132人全員に、画像を見せて掲載許可を得た。自身の姿を見せられると、笑ってオーケーしてくれたという。太田さんは「奇妙な姿勢になるのは、自分以外の人を写そうとがんばるから。誰かと一緒に笑顔になれる場所なんだと思います」。
著者は東京都荒川区の会社員太田友嗣(ともつぐ)さん(37)。昨夏にスカイツリーを初めて訪れた際、「家族や友人のため、地面に身を投げ出して記念撮影をする人たちに驚いた」という。仕事の合間に通い、観光客132人をカメラに収めた。
奇妙な姿勢になってしまうのは、スカイツリーの高さゆえ。真下の広場で、人と高さ634メートルのてっぺんを一緒に写そうとすると、カメラを地面ぎりぎりまで近づけないとうまく収まらないためだ。
場所がら多い外国人旅行者に撮影を頼まれ、白い上着が汚れるのも気にせず進んで、ごろりとなる中年男性の姿も捉えた。「頼まれたからには、いい仕事をしたくなる。いかにも日本人らしくて、ほほえましい」
撮影した132人全員に、画像を見せて掲載許可を得た。自身の姿を見せられると、笑ってオーケーしてくれたという。太田さんは「奇妙な姿勢になるのは、自分以外の人を写そうとがんばるから。誰かと一緒に笑顔になれる場所なんだと思います」。
汚染灰「人の住めない福島に」 桜田・文科副大臣が発言
福島第一原発事故で放射能に汚染されたごみを焼いて出た焼却灰の処理をめぐって、桜田義孝・文部科学副大臣が千葉県北西部の市長や国会議員らとの懇談会の席上、「(焼却灰は)原発事故で人の住めなくなった福島に置けばいい」と発言していたことがわかった。
桜田氏は朝日新聞の取材に対して、発言を認めたうえで、「灰を一時保管している地元は困っている。そういう(=福島に置けばいいという)考えがあるのでは、という思いから、出席者に質問するつもりで発言した。私個人がそういった主張をしているわけではない」と説明した。
ベトちゃん・ドクちゃん手術から25年 ベトナムで式典
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【ホーチミン市=佐々木学】ベトナム戦争で使用された枯れ葉剤の影響で結合双生児で生まれた「ベトちゃん・ドクちゃん」の分離手術から25年。ベトナム南部ホーチミン市で6日、記念の式典があった。ドクさん(32)は「今の自分があるのは皆さんのおかげ。精いっぱい生きていく」と話した。
同市ツーズー病院で分離手術が行われたのは1988年10月4日。「最も困難な手術を、最も貧しい国で行うので協力してほしい」と請われ、日本の医師団も協力した。
式典には、日本で募金などの支援を続けてきた「ベトちゃんとドクちゃんの発達を願う会」の藤本文朗会長も参加し、「これからも枯れ葉剤被害者の支援を続けたい」と述べた。
ベトさんは手術から19年後の2007年に他界したが、ドクさんは結婚して双子の父となり、同病院職員として働いている。長男はフーシー(富士山)、長女はアインダオ(ベトナム語で桜の意味)と日本にちなんだ名をつけた。
同市ツーズー病院で分離手術が行われたのは1988年10月4日。「最も困難な手術を、最も貧しい国で行うので協力してほしい」と請われ、日本の医師団も協力した。
式典には、日本で募金などの支援を続けてきた「ベトちゃんとドクちゃんの発達を願う会」の藤本文朗会長も参加し、「これからも枯れ葉剤被害者の支援を続けたい」と述べた。
ベトさんは手術から19年後の2007年に他界したが、ドクさんは結婚して双子の父となり、同病院職員として働いている。長男はフーシー(富士山)、長女はアインダオ(ベトナム語で桜の意味)と日本にちなんだ名をつけた。
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