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 役目を終えると、ほとんどが野焼き処分されてきた養殖用の「カキいかだ」。岡山県備前市の漁協が一風変わったリサイクルに目をつけた。地元名産の備前焼を焼くために使ったり、燃料用の木質チップにしたり……。漁協は100%燃料化をめざしており、カキ生産関係者は「全国初の取り組みではないか」と話す。
 カキいかだのリサイクルを進めているのは、「環境に優しい漁業」をめざす日生(ひなせ)町漁協だ。カキいかだの多くは竹とヒノキで作られており、5~8年で使えなくなる。
 日生町漁協には、100本の竹と主にヒノキからなる40本の丸太で造ったカキいかだ(縦22・5メートル、横9・5メートル)が計約500台あるが、このうち約80台を1年ごとに新品と入れ替えてきた。入れ替えられたカキいかだは廃棄物処理法にもとづいて海辺で野焼きしたり、廃棄物処理業者に委託処分したりしてきた。
 日生町漁協は「循環型の漁業」を進めるために再利用を模索。約3年前に備前焼の作家や岡山大、廃棄物処理業者らと「日生のカキ筏(いかだ)から生まれた備前焼プロジェクト」を立ち上げ、焼き物のまきの補助燃料に使う可能性を探ってきた。
 「2度断っても頼みに来た漁協の熱意に負けて協力しています」と笑う備前焼作家の平川忠さん(59)。カキいかだの竹を窯に入れるタイミングなど1年余りにわたって試行錯誤した結果、まきだけを使った時とほとんど変わらない焼き色が出せるようになったという。