定年前に出向――。テレビドラマ「半沢直樹」で描かれた旧来型の銀行の人事制度を、みずほ銀行が今年度から少しずつ変えていく方針を示した。これまでなら関連会社や取引先に出向していた人の一部を支店長に登用するという。
 みずほ銀は不良債権問題に揺れた2000年代に採用を絞り、支店で営業の主力になる30代が不足している。このため、「出向要員」だったベテランを支店に配置して営業力を強める。
 みずほ銀の林信秀頭取が朝日新聞の取材で明らかにした。「部下を育てる支店長は、銀行の外に出る必要はない。当面は55歳、場合によっては60歳 まで現場の第一線で使いたい」と話した。みずほ銀の支店は全国421カ所あり、今年度中に50歳以上の支店長を5%程度から10%以上に増やす見込みだ。










集団的自衛権「政府方針」に明記 首相、意向固める

 安倍晋三首相は、他国を守るために武力を使う集団的自衛権の行使容認を、憲法解釈変更の見解をまとめる「政府方針」に明記する方針を固めた。実態は内閣全体の了解を得ない「首相見解」だ。首相がこのタイミングで「政府方針」と銘打って自らの見解を出すのは、閣議決定で「集団的自衛権」の明記は譲らない、という考えをはっきり示す狙いがある。
 首相は、この方針をもとに与党との協議に入り、6月22日が会期末の今国会中に行使容認の閣議決定を目指す。しかし、公明党は行使容認に強く反対している。閣議決定の文書に「集団的自衛権」の言葉が含まれること自体にも反対だ。今後、首相と公明党との対立が激しくなるのは間違いない。
 安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」は、大型連休明けの5月中旬にも、首相の意向に沿った内容の報告書を発表。その後、首相は間を置かずに自公両党に対し、「政府方針」を示す考えだ。その中で、首相は「必要最小限度」の自衛権に集団的自衛権の一部が含まれる、などとする憲法解釈の変更を打ち出す方針だ。




 

「保険金不払いは会社指示」 東京海上社員が会社を提訴

 

 東京海上日動火災保険自動車保険金の新たな「不払い」が発覚した問題で、現役社員の男性が元上司や会社に3千万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴していたことが分かった。「不払いを会社側から指示され、上司に責任も押しつけられて降格させられた」と主張している。
 訴状などによると、損害保険会社の不払い問題が最初に表面化した2005年、男性は保険金の支払い業務をしていた。当時会社側は男性らに「(追加 の)支払い対象事案のリストを絞り込み、極力ゼロにして報告せよ」などと指示したという。不払いが多数あったのに、少なく装うよう強要されたと主張してい る。
 男性は06年ごろから社内での待遇が悪くなり、10年には降格させられた。納得できないため11年に労働審判を申し立てたところ、「男性が不払い 案件の関係書類を捨て、独断で支払い対象外と判断した」とする報告書が上司によってつくられていたことがわかった。上司が不払いを隠した責任を、男性に秘 密裏に負わせるものだ、としている。
 東京海上日動では今年2月、最大十数万件にのぼる不払い問題が新たに判明した。永野毅社長は会見で「当時は請求がなければ払わない、という運用 で、いわゆる『不払い』にはあたらない」と説明していた。これに対し、訴状では「会社は組織ぐるみで不払いを隠しており、会見内容は虚偽である」と指摘し ている。
 男性の代理人の菅谷公彦弁護士は「事実関係を明らかにするため、今年3月に提訴に踏み切った」と話している。
 同社は取材に対し「裁判では全面的に争う。現時点ではコメントできない」としている。(杉浦幹治)






 


3月失業率、3.6%で横ばい 有効求人倍率は改善進む

  総務省が2日発表した3月の完全失業率季節調整値)は3・6%で、前月と同じ水準だった。厚生労働省が同日発表した有効求人倍率(同)は前月より0・02ポイント高い1・07倍で、6年9カ月ぶりの水準だった。









NHK会長「公平性は番組ごとに」 政府見解と相違

 NHKの籾井勝人会長は幹部を集めた4月30日の理事会で、放送法が定める公平性の原則について「一つ一つの番組で、それぞれやるべきだ」という趣旨の発言をしたことが複数の関係者への取材で分かった。放送全体を通して判断すべきだとする従来の政府見解を踏み越えた現場への要求で、波紋が広がりそうだ。
 理事会では番組内容を検証する考査報告があった。籾井会長は4月の消費増税で不安を抱える高齢者を取り上げたニュース番組に対し、「(税率が)上がって困ったというだけではニュースにならない」「買いだめは無意味だと伝えるべきだ」という趣旨の発言をした上で、低所得者への負担軽減策の議論も紹介するよう求めた。
 部下の理事たちは、「努力しており、いろいろな観点を、様々な機会をとらえて報道している」などと反論したが、籾井会長はあくまで同じ番組内で違う意見を取り上げるべきだと主張し、理事会は紛糾した。



 


誤認検挙の可能性、松阪署が報告せず 帳尻合わせ問題

三重・滋賀両県警が検挙件数を帳尻あわせしていた問題で、不正の発端となった三重県警松阪署が昨秋、誤認検挙の可能性があることを把握したものの、三重県警本部に報告せずに放置していたことが同県警への取材でわかった。県警本部は今年3月になって不正疑惑を初めて把握したという。
 両県警によると、滋賀県警大津北署は昨年10月、覚醒剤取締法違反事件で逮捕した容疑者の男(46)のDNA型が、2010年6月に三重県松阪市で起きた車上荒らし事件の現場に残っていたDNA型と一致していることを突き止めた。これを根拠に、大津北署は男を窃盗容疑で再逮捕し、送検した。
 ところが、松阪市の事件は、松阪署が別の窃盗事件で逮捕した男性の余罪として事件処理が終わっていた。また、当時、同署はDNA型の鑑定をしないまま検挙していたという。